山神神社の境内を進むと、目の前に神々しいような不気味なような人影のような物が立っていた。
「ようこそ。山神神社へ…そなたは…私が導いた者か。ここには誰もいない。誰も知らない。そうだな。強いて言うなら…ショウナンに縁のある者だけが導かれる場所だ…」
見知らぬ者に自分の名を呼ばれる。
「失敬。名乗り遅れたようだ、私は山神 一心齋。この神社の宮司だ。そなた…ショウナン神話をよう知っている身ではないか」
この一心齋と名乗る者の会話は最後まで不毛だった記憶が強い。
地図に載らない不思議な神社、山神神社の宮司と名乗っていた。私のことを拝観者と呼び、この神社へ導いたのだと語った。何故か山神の発言ですべてが変わり、すべてが終わる…らしい。
長い間夢を見ていた気がする。私以外に一心齋の姿を見たものは居たのだろうか。
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